6月某日、10年ぶりにアメリカの散髪屋で散髪することを競う、第1回10年ぶり米国散髪選
手権が開かれた。 結婚して以来もっぱら嫁ハーンに髪を切ってもらっていたおっさんは、
「これはわしの為の大会じゃ、ボケー!」とばかりに自信満々で参加、凄まじいバトルを
繰り広げた。 しかし、10年間まったく同じ髪型で生きてきたおっさんは、「どんな風にしましょ
うか?」と聞かれても何とこたえて良いかさっぱりわからず、とりあえず「ええ感じに
してぇーな」とお願いするしかすべが無かった。 すると、それを聞いていたアナーバー
の
サムライラッパー美容師、ケンタクロース
がおっさんの背後にまわり込み、
「じゃあ、いい感じにしてやろうじゃないか!」と一言つぶやき、さっそくおっさんの髪を切り
始めた。 あっけに取られながらも、
おっさんは喋り倒してケンタクロースの仕事の邪魔しにかかる。 「へえー、そうなん
ですかー」と、うまくかわしながら見事な技でおっさんの頭を整えていくケンタクロース。
両者譲らず、激しいバトルを続けた。 後半40分、カットを終えたケンタクロース
は、(10年のブランクの為おっさんはその存在を全く知らなかったという)ヘアワックスを使っ
ておっさんの頭を整え始めた。 だが、その未知の物質に抵抗を感じたおっさんは、激し
く抵抗。 頭をグルグル回しながら、サロンの中を逃げまくった。 このままでは、おっさ
んはレッドカードで退場となってしまう! そこで、ケンタクロースはヘアワックスを
おっさんに差し出し、「これ、タダであげますよ!」と叫んでみた。 すると、「えっ、タダ!」
と、ものの見事に引っかかり、おっさんの動きが止まった。 そして、おっさんがワック
スを珍しそうに眺めているところに、すかさずケンタクロースがおっさんの頭をええ感じに仕上げ
ることに成功。 その見事な腕前で、おっさんの大会優勝が決定した!
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