平成18年1月13日のインタビュー
西川氏 最近どうですか?

おっさん まぁ、ぼちぼちやな。

西川氏 さあ、とうとうアナーバーに 戻ってきましたが、どうですか?

おっさん どうですかって、ようわからん質問やのう。 まあええわい。 今回、日本では刺激的な経験ができたわ。

西川氏 といいますと?

おっさん まずは下品な人間に接することができたことやな。 ヤクザのような恫喝にあったことが何とも印象的や。 一つは、まあ、わしの一言が火をつけたという面もあるが、 子供がおる前で、しかも道のど真ん中で、「なんじゃ、おらあ! ボケ!」いうて、 わめき散らされたわ。 まあ、相手にするのもアホらしいから、 サッと背を向けて立ち去ったけどな。不思議なことに、あんだけ息巻いとったのに 背を向けたら追ってもこんかったわ。あと、初詣にいったときに、 どえらい人ごみの中でわしのモモに蹴りを入れてくるやつがおって、 とはいえ、もの凄い人ごみの中やから痛くも痒くもなかったんやけども、 ふとみたら小さい女の子を抱いたおっさんがこっちを睨んでて、「なんでんの?」と普通に聞いたら、 「なんじゃ、おらぁ!」とか言うてわめくだけで、全く会話にならん。 どうしようもないから、これもまた軽く無視してあげたけども。あと、 これはわしは直接は関係ないけども、初詣対策で神社近辺が駐車禁止になってて そこに警備員の爺さんがおったんやけども。そこに平気で駐車した ベンツの家族連れがおったんや。警備員は注意をしたけども、偉そうに 無視してそのまま止めて行きよったわ。あれは下品な姿やったで、ほんま。  さらに、デパートのフードコートで小学生のお姉ちゃんがソフトクリームを食べてる 弟に向かって「早よ食えや!」と言ってたのを聞いてビックリしたわ。 そばに両親が居るのに何も言わへんねや。下品家族第2弾ってなもんやったわ。 

西川氏 そうですか。 確かに下品な人間ってのは 居るでしょうけども、少数派だと思いますけどね。

おっさん そらあ、そうかもしれんけどな。  米国に来て以来、そういう「なんじゃおらー!」みたいなセリフを吐く恫喝人間に会うことが 無かったからなあ。 でも、やっぱり言葉遣いはお上品ではないと思うわー。 

西川氏 なるほど。 まあ、そう言い切ってしまうと 反発する人も出てくると思いますが、そういう意見を冷静に受け止められる かどうかで、これまた上品さが試されそうですね。 

おっさん そういうことになるかもな。 

西川氏 でも、そういうことになれば、 今後日本に一時帰国して子供らが体験入学することになると、 そういう下品な人間に染まっていくのではないかとか、いろいろ心配になってきたり しないですか?

おっさん まあ、ちょっとは考えるけども、 わしはこの通りお上品に育っとるわけやし、

西川氏 (どこがやねん) 

おっさん そない心配するほどのことでもない と思っとる。お前の言うように、そんな奴らは少数派やろうし。 逆にそういう人間とやりあう経験が全くないよりも、あったほうがええと 思うし。いろんな人間がおることを知っとかないかんわ。何事も経験や。

西川氏 そうですか。

おっさん それから、旧友と話しをしたときに、 262の法則というものを知ったわ。ある集団の中で、2割がリーダーシップをとり、 6割がその2割に引っ張られ、残りの2割が無能というかサボるというかそんな 感じらしい。まあ、考えたら人間が何人か集まれば、そうやって役割分担するように なるんやろうと思うわ。そこで友人が言ってたのは、会社で人事異動が起こったり、 方針転換が起こったりしても、多くの人間は何の疑問も持たずに普通にというか、 もう盲目的に従うのが不思議な光景に映るということやったわ。 これがさっき言うた6割で、自分で何も考えてないような感じらしい。

西川氏 でも、会社命令は絶対でしょう。

おっさん アホか。そんなことやから、 思考停止してるって言われるねん。会社の命令っていうても、それは しょせん人間が考えたことやないかい。神様の言葉やあるまいし。 上司が無能やったらどないすんねん。何でもかんでも言うこと聞いてて、 気付いたら会社が潰れてたってことになりかねん世の中や。 ちゃんと自分の頭で考えなあかんやろ。 けど、262の法則によると、 6割の人間はそれがでけへん。逆に自分で考えろといわれたら、 何もでけへんわけや。好きなようにやれと言われても何をどうやったらええか 分からん。逆に、やったらあかんと分かってても、(何の強制力も働いてなければ) やってしまうというような人間もそうや。  そういう人間が大多数やと、昔から言われてるわけや。

西川氏 ふ〜ん。 ある意味、強制されるって 楽ですよね。

おっさん そうやがな。 お前、ええこと言うがな。 その通りや。 強制されると楽なんや。  何も考える必要がないわけやからな。 これは、学校なんかもそうやがな。教室の席順を自由にしたら、生徒らは 仲の良いお友達と固まるに決まってるがな。わざわざ離れて座る理由が 無いんやから。しかし、そうなったら授業中に私語が増える可能性が高まる。 私語はあかんと思ってたとしても、友達から話しかけられたら、 「あかんって、静かにしようや」などと友達に注意しにくいがな。で、結局しゃべってしもて、 真面目に勉強できんようになったりすることもある。こういうときは 強制や。先生が席を決めてあげたらええんや。私語が目に余る生徒を離して座らせて あげればええんや。これが意外と生徒にとっても 喜ばしいことやったりする。これで友達と離れる理由ができたんやから、 何の躊躇もなく離れられるやろ。ほんで、授業に集中できるっちゅうわけや。 強制ってのは聞こえは悪いけど、される側にとっては都合が良いということもあるわけや。 それはある意味、金庫の鍵をきっちりとかけて、誰かが盗みたくなっても 盗めないようにしてあげるようなもんや。

西川氏 そうですよね。学校の制服も、 強制的に同じ服を着せられてますが、それに抗議する生徒って異常に少ないですよね。 また、例えばスーパーとかの駐車場なんかで、もしも線を引いてなかったら、 車の止め方が皆バラバラで不都合だから、逆に利用者が「線を引いてくれよ!」と言うかもしれませんよね。 年金なんかも、そうかもしれません。 う〜ん、まあ強制という言葉よりは、ひょっとしたらルールと言ったほうがいいの かもしれませんが。

おっさん そんな言葉遊びはどうでもええがな。 従わなあかんという意味では、それはまさしく強制やがな。  何が何でも強制は素晴らしいとは 言わんが、盲目的に何が何でも強制はあかんという姿は変や。 例えば、学校が制服を廃止して、何を着てきてもええとなったら、 何を着たらええか分からなくて悩む生徒も出てくるやろう。 それが原因で自殺なんかしたら、学校はどうやって責任を取るつもりやねん。 また、何でもええんやったらということで、裸で登校してくる生徒とか 水着で来る生徒なんかも出てくるやろう。それでは、学校側も困るやろう。 そこはやっぱり制服を強制するしかないわけや。で、実際やってみたら、 文句言う生徒なんか、ほとんどおらんっちゅーこっちゃ。

西川氏 (極端なおっさんやのう。 その中間ってのは無いんかいな。最低限のルールだけ作っておけばええやん。 っていうか、私服の学校なんか一杯あるがな、実際) はあ。

おっさん それから、最近は少子化が問題になっとるが、 国民はみんな20代か30代の間に結婚して子供を作ることを国が強制すればええんや。

西川氏 そんな無茶苦茶な!

おっさん 何を言うとんねん。さっきの 262の法則によって、少なくとも6割は何の疑問も持たずに従うがな。 しかも、その方が楽やがな。なぜ結婚をしなければならないのかとか、 なぜ子供を作らなければならないのかとか、そんなことを考える必要が無くなるわけやからな。 結婚なんてしないと言いながら40代とか50代に突入した人間が、 これでいいのかと悩むこともある世の中や。 そんな人間はまさに強制で救ってあげるんや。ごちゃごちゃ悩んでる人は、 相手も見つけてあげて、強制的に結婚させるんや。 これは楽でええぞー。 わざわざ自分で探す必要もないし、 恋の駆け引きもクソもないわけやからな。ほんで、例え変な相手に当たったとしても、 結婚したのは自分の意思ではなくて 強制されたからという言い訳も立つしな。

西川氏 いや、あのうー、それって本気で言ってるんで すか?

おっさん 当たり前やんけ。世の中、自由、 自由と言い過ぎなんや。そうやって逆に人間を追い詰めてるんや。 高校や大学に行くのは自由やけども、ほんまは行ったほうがええがな。 それやったら、義務教育にせいよ。変に自由にして、「進学するかどうかは 個人の自由なんだよ。 受験で失敗しても自分の責任だからね」ってなもんで、無責任なもんや。  さらに、「どんな仕事をしようと自由なんだよ」などと言って、自分が何をやりたいのか分からない 若者を追い詰めて、ニートやらフリーターやらが急増やがな。 そんなもんは、強制的に自衛隊に入れるとかしたらええねん。それで一挙に解決やがな。  もっと言うたら、スモーカーもそうや。 吸うのは個人の嗜好やとか自由やとか言うたら、そらぁ彼らは吸うわいな。 それを、臭いとか意志が弱いとかなんじゃかんじゃ言うて イジメてやなあ。そんなもん、タバコを違法にするとかして、タバコを吸うなと 強制してあげたらしまいやがな。 それでも誰も文句言わんと思うで。それが証拠に、 どんなヘビースモーカーでも、飛行機とか電車の中のような、 喫煙禁止の場所では吸わんがな。素直なもんやがな。千代田区の路上喫煙禁止もそうや。 禁止してしまえば、意外と素直に従うもんやがな。体に悪いことも分かっとるんやから。 強制は彼らにとっても救いなわけや。正味な話、タバコ禁止を喜ぶスモーカーは一杯いてると思うで。

西川氏 (突っ込みどころ満載やけど、まあええわ。 こんなおっさんと本気で議論してもしゃーないし。どうせまた一人で脱線していくやろうし)

おっさん もっと身近なことでもそうや。 食堂でとんかつ定食を頼んだときでも、それは「とんかつソースで召し上がってください」と 強制せなあかん。そうやないと、とんかつを食べたことのない人間は何をかけて食べればいいのか 悩んでしまうからな。確かに何をかけようと自由やけども、ケチャップなんかをかけて食べて しまって、「とんかつって美味しくないなあ」などと思われたら困るがな。  とんかつソースで食べろと強制されたら、何も悩むこともないし、とんかつが不味いと思うことも ない。楽なもんやがな。 

西川氏 (それは全く不適切な例やで) へぇ〜。

おっさん 例えば、恋人やら嫁はんに「愛してるよん」と なかなか言えないのも、憲法に「我々は、恋人や嫁はんに”愛してるよん”と言うことを 誓う」と 明記して、強制的に言わせればええんや。みんな照れてるだけで、ほんまは言いたいと 思ってるんやから、 強制してあげたら「俺は嫌やねんけど、強制やからしゃーないわ」ということで素直に言えるよ うになるがな。 

西川氏 (アホらしー) ほぉ〜。

おっさん それから、ハゲ頭もそうや。 いくら髪の毛が少なくなってきても、ハゲてないと言い張る人間なんかも、例えば 「7千本以下はハゲと呼ぶ」ということを政府かなんかが決めてやれば、本人も潔く ハゲを認められるがな。それは自分が認めたわけではなく、お上がそう決めたんやから しゃーないと思えるやろ。  お前もあるやろ? ほんまはそうした方がええと分かっているが、なかなかできないってことが。 そんな時には強制や。強制で楽にしてもらったらええんや。

西川氏 (アホらし。もう帰ろ) なるほどねえ。 素晴らしいですよ。まさに目からうろこですよ。いやあ、今日はいいこと聞いちゃったなあ。

おっさん そうか、それは良かったがな。  ほな、また23日に来い。

西川氏 あっ、それも強制ですね。  自由だと言われたら、来る理由がないので間違いなく来ないですけど、 強制されたらそれを理由に来ようという気になりますからね。

おっさん そうか、何かようわからんが、 ちゃんと理解してるようやがな。 ええぞ、ええぞ! はっはっは!

西川氏 (アホなんやなあ〜) それではまた!

おっさん おう! 絶対来いよー! これは強制やからなー!  はっはっは! あれ? なんか変な感じやぞ。。。

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