平成21年1月13日のインタビュー

西川氏: 最近どうですか?

おっさん: まぁ、ぼちぼちやな。

西川氏: お子さんの日本語教育はどうですか?

おっさん: まあええ感じやな。 ゆるり とやってる割には全国基礎学力試験で 全国平均以上の点数は取れてるし。 アメリカの学校行きながら 片手間で日本の勉強してるにしては上出来過ぎるがな。 大したもんやで。 

西川氏: へえ、すごいですね。  おっさんは将来お子さんを日本の大学に行かせたいと思ってるんですか?

おっさん: そんなん別にどこでもええし、 別に大学に行かなあかんこともないし。 そんなことは大して重要なことではない。  もっとも大事なことは、まず人に尊敬される立派な人間になることや。 そして、 クリエイチブな人生を送ることや。 そのためには子供にガンガン刺激を与えていかなあかん。 

西川氏: (クリエイチブって、あんた.......) どういう刺激ですか?

おっさん: いわば、多くの「できる感」を子供に 与えることや。 子供に、何でもええから「できる」ということを見せるんや。  まず簡単なところでは料理や。 いろんなものを(店で買うのではなく)家で実際に 作って子供に「作れる感」を与えるんや。 スーパーで買ってたプッチンプリンを 家で作って、「プッチンプリンって自分で作れるんや!」。 お土産やと思ってた 赤福や八ツ橋を家で作って、「えっ、八ツ橋って自分で作れるんや!」。 最近は外で買 ったりすることも多いおせち料理も家でせっせと作って「おせちは家で作れるもの」みた いな。  たいそうなもんでなくてもええんや、とにかく身近に親が何かを作ることで、子供がそ のノウハウに接することができ、 子供に「できる感」が芽生えてすくすくと育つんや。 そしてその「できる感」は将来料理人 として花を咲かせることになるかもしれんのや。 逆に何でもかんでも外で買ったり、 親自身が「作れない」と言ってしもたら、そらあ子供も当然できないと思うに決まっとるがな。  できないと思ってるんやから、作ろうなんて思うはずがない。 「できる感」がなければ、 そこには 何の可能性もないことになるんや!

西川氏: (それなら別にテレビの料理番組で も料理マンガでもええがな) なるほど。 でも、

おっさん: じゃかっしゃー! デモは国会の前で やれ、アホ! デモのついでに、多くの二世議員に会ってこい! アホのお前は何で二世議員が多いか 知らんやろ。 それはやっぱり「できる感」なんじゃ。 身近なところで父ちゃ ん、母ちゃん、おじいちゃん、おばあちゃんなどが国会議員をやってれば、嫌でも選挙の裏側やら 出世やら失脚やらを目の当たりにして、自然と「国会議員はなれるもの」という「できる 感」が芽生え、すくすくと育っていくんや。 なんやったら「俺もやりたいなあ。 うん、 俺もできる。 いや、俺はもっとうまくやれる!」などという、「かなりできる感」も芽生えたりして、 そうしてそれが花開けば二世議員というわけや。 それは歌手でも、マンガ家でも、スポー ツ選手でも、役者でも、役人で も、サラリーマンでも同じことや。 例えば、親が作詞作曲してたら「歌は作れるもの」とい う「できる感」が育つし、親がマンガ描いてれば「マンガは描けるもの」という「できる感」 が育つし、親が見事なフォークボールを投げれば「フォークボールは投げられるもの」と いう「できる感」が育つんや。 だいたいからして、サラリーマンのたいがいが二世やんけ。  それは親のサラリーマン生活を目の当たりにして培った「サラリーマンになれる感」がす くすく育ち花開いたことに他ならんのや! 

西川氏: (親がそうなら子供もそうなるって か? 単純な発想やなあ) なるほどね。でも、

おっさん: デモデモうるさいんじゃ! それ以上 言うたら、頭ナデナデしながら耳たぶモミモミするぞ! だぁっとけ、アホ! だいたい、 子供が将来何になるかは大事なことではないんや。 それよりも、多くの「できる感」を 与えて、将来の可能性を広げてやることこそが大事なことなんや。 そのためには、 親(又は学校の先生や近所のおっさん等)が、いろんな「できる」を実践することや。  それは下手糞でもええんや。 インターネットでレシピを見つけてプッチンプリンを 作ってみるんや。 ほんまもんとは違ったものが出来ても、それがまた意外と美味し かったりするもんや。 下手な絵でもええから4コママンガを作ってみたり、 全然落ちてなくてもええから「このフォークボールを受けてみろ!」とか言いながら、 キャッチボールをすればええ。 それだけで、「4コママンガは作れる」「 フォークボールは素人でも投げられる」という「できる感」が子供の頭の奥底に残る。  そうやって多くの「できる感」を与えていくだけでええ んや。 実際に子供が何に興味を持つようになるのか、そんなことは親には分からん。  親に出来るのは、いろんな「できる感」を与えてその可能性を増やしてやることや。 

西川氏: (フォークボールが全然落ちてなかっ たらあかんやろ) へえ。

おっさん: 屁は好きなだけこけ、アホ!  逆に言えば、間違っても「プロ野球選手? 政治家? 歌手? はいはいそんなの無理無 理。 変なこと言ってないで、とにかく大学を出てちゃんと就職してね。 早く親を安心させてよ」 などと言って、「できない感」を増大させないことや。 それは最悪や。  実際、多くの失業者の絶望感はこのような「できない感」で増幅されていると言われてるんや。  例えば親が一生懸命商売をしてたら「失業しちゃったし、これを機会に俺も商売で 頑張ってみようかな!」と考えられるし、親がミュージシャンだったら 「とりあえず歌作って、ストリートから始めてみよう!」と思えるし、 はたまた「こうなったら母ちゃんのプッチンプリンで勝負してやる!」と奮起して 「おっぱいの味って甘かったんだよね --- 母ちゃんのプッチンプリン!」という 企画をグリコに持ち込んで一世を風靡するかもしれん。  そうやって、どんな困難にあっても 豊富な「できる感」で乗り越えられるような人間に育ててやるんや!  もう一度言う。 「できる感」がなければ、そもそも自分で商売をやろうとも思わないし、 歌を作ろうとも思わないし、何もやろうと思うはずがないんや。 だって、自分で出来る とは夢にも思ってないんやから。

西川氏: (そんなうまいこといくなら誰も 苦労せんがな。 だいたい、「できっこない」って言われて逆にやる気が出る人もいてるし。)  うーん、なるほどね。 すっばらしいですねー。

おっさん: よっしゃ! そんなお前にも「できる 感」を与えてやろう。 ちょっとこっち来い。 麦茶と牛乳と砂糖でコーヒー牛乳が作れるこ とを教えてやろう!

西川氏: (そんなん誰でも知ってるがな)  えっ、そんなことができるんですか! すごーい! ぜひ教えてください!

おっさん: はっはっはっは! ほんまお前は、しゃーないやっちゃ のう。 またわしええことしてしまうがな。 はっはっはっは!

戻る


著作権について | リンクについて | 会社案内 | お問い合わせ