おっさんインタビュー


平成16年2月3日のインタビュー

西川氏 最近どうですか?

おっさん まぁ、ぼちぼちや。

西川氏 早速ですが、おっさんはスモーカーですね。

おっさん まぁな。わしはそこそこ成人してから 吸い始めたからな。法は犯していないぞ。

西川氏 そうですか。それは素晴らしい。 ところで、タバコは止めないんですか? 健康に悪いですよ。

おっさん その通りや。タバコは体に悪い。 それは間違いないやろな。せやけどまだ止められんなぁ。 わしには使命があるからな。

西川氏 どんな使命ですか?

おっさん わしは自分の体を犠牲にして、 タバコは体に悪いということを若者に啓蒙するという 使命を神さんから受けているんや。 正味な話、長年タバコを吸ってると体が変に なってくるんや。まずクサイ。これは間違いない。 いわゆる”おっさん臭”が体から発せられるわけや。 最近は若い女性のタバコ呑みも増えとるらしいが、 そのうち”おっさん臭”が”おばはん臭”にとってかわる 時代がやってくるであろう。

それからタンみたいなやつが喉に溜まってくる。 これは20代後半やったな。これがなんとも気持ち悪い。 ほんで、タバコを吸ってる人間は、 普通の人間よりも咳をすることが多いと思うが、 そのときにそのタンみたいなもん(なんかゼリーみたいなん) が喉の奥から飛び出してくるんや。気持ち悪いで〜。

更に、朝、歯磨くときに歯ブラシが奥歯の方まで 侵入したときに”エヅク”。「おえ〜、おぇ〜」言うてな。 なんともオゾマシイ光景やで。しばしば涙を流しながら エヅいてる。

とにかく百害あって一利無しや。 タバコなんぞ吸うべきではないのである。 わしは、このことを経験者として語るのである。 ここで止めてしまったら、信憑性が薄れてしまうのだ。 昔吸ってただけでは、昔のことだけしか語れず、 現在に至ってどのような弊害があるのか語れない。 今を語る必要があるのである。その為、 わしは止めることはできないのである。 これはわしを啓蒙者として選んだ神さんの意志なのである。

西川氏 はぁ〜、なるほど。しかし、 スモーカーは他にもいるでしょうに、あなただけが 頑張る必要はないでしょう。今となっては、大抵の 人間がタバコの害について知っていますよ。

おっさん だから言っているではないか。 これは神さんの意志なのだ。

西川氏 そうですか。そう言われてしまうと どうしようもないですね。

おっさん そうだ。どうしようもないのだ。

西川氏 おっさんは1日に何本くらい吸うのでしょうか?

おっさん わしは、神さんの意志により 1箱と決められている。

西川氏 そうですか。そこそこ吸うんですね。

おっさん まぁな。妥当なとこやろう。

西川氏 先ほどもおっしゃってましたが、 最近若い女性の喫煙者が増えましたね。これについては どのように思ってますか?

おっさん ちょっと前に日本に一時的に帰国した ときに、多くの若い女性のスモーカーを目撃して びっくらこいたことがある。何がわしをびっくりさせた のかをよく考えてみた。そして、”タバコを吸うように見えない 女の子”がタバコを咥えている姿、タバコを咥えて口をチョイと突き出して 火をつけている姿、鼻から煙を出している姿、そういった 見慣れない姿に圧倒されたのだとわかった。 確かに、男性に比べれば少数だが、女性でもタバコを吸う人は昔から居た。 わしの婆ちゃんは85を超えたいまでも吸っている。 ただ、別にばあちゃんが吸っても驚きはしない。 タバコを吸いそうな、ちょっとイカしたばあちゃんだからだ。 (それとも見慣れているだけか?)結局んところ何が言いたいかというと、 似合わんことはせんほうがええということや。 人の勝手といえばそれでおしまいやが、 例えば、茶髪の似合わん人もおるやろうし、 パーマの似合わん人もおるやろう、さらに ジーパンの似合わない人もいるやろう、 ほんでからピアスの似合わん人もいるやろう、 ポニーテールの似合わん女の子もおるやろう、 それを無理からやる必要はなかろう。 自分のミテクレやキャラクターに似合わないことを やると周りはドキッとするのである。とまぁ、こういう 考えに至ったわけや。まぁ、これはちょい昔の話やし、 わしもそない日本に行ってないさかいに、日本にいる 方々にどのように聞こえるかわからんがな。

西川氏 なるほど。そうするとじゃぁ、 似合う人は吸えばいいということでしょうか? あなたは先ほど、タバコを吸わないように若者を 啓蒙しているとおっしゃってましたが、矛盾しませんか?

おっさん お前はアホか? お前が若い女性の 喫煙者についてどう思うかと聞くから、それについて 答えただけやないかい。吸わんほうがええことに変わりはないわい。 お前、自分で聞いといてわけのわからんこと言うなよ。

西川氏 う〜ん、確かに。う〜ん。まぁ、いいでしょう。 それでは一般的にスモーカーに対してはどのよう に考えてらっしゃるのでしょうか?

おっさん ”同志”やないかい。ええか、よう聞けよ。 世の中の全てのスモーカーは、神さんの意志に従い スモーカーとなることを決心した 自己犠牲精神満腹の同士達なのだ! 彼らの中には、わざとマナーを守らずにアンチ・タバコ連盟 の活動を後押ししている者もいれば、 自ら病気になることで身近な人間にタバコは 体に悪いことをまざまざと見せ付けるよう 努力している者もいるのだ。中には、高齢者社会 を憂い、国民の負担を減らすべく、早々と肺がんになり 人知れず静かにこの世を去る者もいると聞く。 しかも、この神さんに選ばれたスモーカー達は、信じられないほど高額 な税金を納め、国にも貢献しているのである。 私から見れば、世のスモーカー達は道徳規範そのものである。 しかしだ、決して誰からも感謝されない。嫌われ、馬鹿にされ、 クサイクサイと罵倒され、、、、それでも人々の為ならばと、歯を食いしばって 己の使命をまっとうするのである。涙なしでは、 語れないのだ。。。

西川氏 はぁ〜〜〜、そうなんですか。。。 自己犠牲の精神はいいですが、家族にとっちゃぁ迷惑な話でしょうね。

おっさん 愚か者! 我々は全国民の為に 頑張っているのだ! 家族は犠牲にせざるを得ないのだ。 国の論理と個人の論理は相容れないのだ。そんなことも わからないのか! 

西川氏 あっ、それはどうも、失礼しました。 う〜ん、ということはですよ。先ほど、話していた 若い女性達も同士ということですね。

おっさん おっ前〜、若い女好っきゃな〜。 まぁええわい。そうや、その通りや。ええか、ほんで わしは彼女らを見て”驚いた”と言うたやろう。 それが彼女らの狙いなのだ。人々が彼女らを 見ることにより、”驚き”、”やめといたらええのに〜” と思い、「わし、タバコやめようかな」とか「あっしも やめようかな〜」という方向へ向かうことを 期待しているのである。涙ぐましいことこの上ないではないか。。。 うら若い女性が、よりよい世の中にする為にと、 自らの若々しい体をニコチンで 染めていくのだ。可愛らしい女の子が、歯ブラシでエヅキ、 咳をしてはタンを飛ばし、黄色い歯を見せてキャッキャと はしゃぐ。このような若者が日本にいるというだけで、 何か救われたような気分にならないか? 貴様は自分のこと だけしか考えていないだろう。自らを犠牲にし 皆の為に生きるという考えはもうとっくに死に絶えた と思っている者も多いが、こうやって存在するのだ。 しかも、それとは全くわからない形でな。誰にもわかって もらえなくてもいいのだ。本当の自己犠牲の精神とは そういうものなのだ! 

西川氏 わっかりましたー! いや、すばらしい! 今日は感動しましたよ。こいつは素晴らしい! うん、これはいい! ほんと、感動だよね!  (早よかえって、酒でも飲もう。頭おかしなるわ)

おっさん そうか。わかってくれたか。 おおきにや。おおきにやで!

西川氏 はい。それではまた10日後にお会いしましょう。 さようなら。

おっさん おう! また来いよ! まってるぞ! いつまでも待ってるからなー! でも、来る前に電話はせいよー!  手ぶらで来るなよ〜!  ほななー!



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