平成18年4月23日のインタビュー

西川氏 最近どうですか?

おっさん まぁ、ぼちぼちやな。

西川氏 あら? 髪の毛、切りましたね。

おっさん まあな。

西川氏 また奥さんですか?

おっさん そうやがな。 自慢やないけど、 米国に12年おって、散髪屋に行ったのはたったの1回やからな。 

西川氏 (確かに自慢にはならない)

おっさん 日本に一時帰国したときに 日本で散髪屋に行くことはあるけども、米国ではずっとハーンに切ってもらってるんや。 

西川氏 (奥さんの自慢にはなるわな) 奥さんは 美容師だったんですか?

おっさん 全然違うがな。 昔は美術大学生やったがな。  結婚前の学生の時分に一回切ってもろたことがあって、これがなかなかイケル的やったんや。  それ以来ずーっと切ってもらってるわ。 なんじゃかんじゃでもう10年以上やからな。   それはもうベテランと言えるやろう。  現に、こっちゃのプロの美容師に、「それだけの経験があれば、簡単に資格が取れますよ。  是非取りましょう!」 などと言われたらしいで。 

西川氏 そうなんですか。 凄いじゃないですか。  でも、おっさんの髪型ってずっと同じですよね。 しかも、裕之進氏の髪型も同じような 感じですよね。 つまり、その髪型だけを10年以上切ってきたわけですよね。  ある意味、その髪型専門のベテラン理容師といった感じですね。

おっさん お前は相変わらずアホやで。  髪型みたいなもんは、切った後で好きなようにセットしたらええねやん。  基本的には、ええ感じに短く切るのが散髪屋の仕事やんけ。 髪型というのは本人の 意思の問題であって、切る方の問題ではないやろ。 

西川氏 ああ、なるほど、 美容師ではなくて、ただ短く切るという意味での散髪師のようなものと捉えるわけですね。

おっさん 何言うてるか分からんわ。

西川氏 (まあええわ。オレも分からん) ところで、なぜプロの 散髪屋に行かないのですか? お金を惜しんでるんですか?

おっさん やかましいわ、アホ!  失礼な! 何で散髪ぐらいで金を惜しまなあかんねん。 それは、散髪屋に行っても 満足した結果を得られる確率が低いからやんけ。 それだけのことじゃ。

西川氏 確かに、米国の美容師の腕を疑う 日本人は多いですよね。

おっさん なんやねん、それ?  米国もクソもあるかいな。 そんなもんは日本でも同じことや。  確実に自分が想像する通りの頭にしてくれる美容師なんか、そうおらんやろ。  美容師の腕なんか、まさにピンキリやし、 皆どっかで妥協せなしゃーないがな。 それやったら、納得いくまでとことん 付き合ってくれる人間に切ってもうたほうがええがな。 もちろん、 誰でもええというわけではなくうまく切れる人間でないとあかんけども。 それが身内に居るんやったら、 切ってもろたらええがな。 後で、ここちょっと直してくれーとか、なんぼでも言えるしな。

西川氏 (このおっさん、うるさい男やから、 美容師も大変そうやし、ある意味プロに任せない方がええかもしれんな) ほー、なるほどね。  そういえば、おっさんはここ何年も同じ髪型だと思いますが、もっといろんな髪型を試したいと 思わないのでしょうか?

おっさん 思わない。

西川氏 えっ、そうなんですか。 なぜですか?

おっさん 簡単なことや。 今の髪型が 似合っていると言われるし、自分でも気に入ってるからや。

西川氏 いや、でも、もっと他にも いろいろと似合う髪型があると思いますけどもねえ。

おっさん アホか。 これで似合ってるんやから、 これでええんや。 わしは死ぬまでこの髪型を続けるつもりや。

西川氏 えぇー! それは極端でしょう。 ( ハゲてきたらどうするつもりや?)  まさか、髪型だけじゃなくて、ズボンもシャツも ポリエステルのままでいくんじゃないでしょうねえ。

おっさん いくがな。 当たり前やがな。 アホか。

西川氏 ええー?  イメージチェンジというか、 気分転換というか、人間には変化というものが必要でしょー。 なんで そんなに頑ななんですか?

おっさん 知ってたけども、お前って本当にアホなんやなあ。  これは、頑なとかそういう問題と違うやろ。 それは、これまで長い間それでやってきたんやから これからもそれでいくという、それだけの単純なもんやがな。

西川氏 なんなんですか、それは。  一生同じ髪型、同じ服装だなんて、そんなの誰だってオカシイと思いますよ。

おっさん お前はアホや。 それは決定事項や。  ほんだら何で日本は日本なんや? 

西川氏 はあ?

おっさん おまえの理屈で言うたら、 日本も長い間この国名でやってきたけども、 もっといろいろ変えたらええがな。 お前の理屈でいうたら、そういうことやろ。  同様に、ごはんを食べるときのイタダキマスもそろそろ変更して、例えば 「ポロリッチョロマース!」とでも言うようにしたらええがな。  それから、例えば東京タワーだって、もう長い間あの形やがな。  そろそろ違うデザインにして、例えば横にしてしまうとかしてみたらええがな。 

西川氏 (横にしたら、もうタワーとちゃうがな)

おっさん これらのことは、わしの一生よりも 長い間、頑なに続けてきてるがな。 お前はこれらをどう説明するねん。 

西川氏 いや、それはまた別の話でしょう。

おっさん 別なことあるかい。 同じやんけ。  素直に、「説明できません。 ごめんなさーい」 と言え。 そんなもん、 誰にも説明でけへんっちゅーねん。 昔からそうやからとしか言いようがないんや。 

西川氏 でもそういうのは、突然変えたら都合が悪いからでしょ。 

おっさん それやったらちょっとづつ変更したらええがな。  ニホンからニポン、それからニーポン、それからニーポッポン、それからニーポッポロンとかいう 感じで、500年くらいかけてちょっとづつでも変更していったらええがな。  これまで1千年以上の歴史があって、なんで そういうことをやって来なかったんや? なぜずっと同じ名前で通してきたんや?  ニーポッポロンの方が楽しいし、世界から愛されそうな感じがするやんけ。  アイ アム フローム ニーポッポロン! の方がニッコリ的やんけ。 分かるか?  そうやって変更することはいくらでも出来たはずや。 それでも 同じニホンで通してきたんや。 となれば、それはもう、昔からそうやからとしか言いようがないがな。

西川氏 (ニーポッポロンって何やねん。  世界に出たらジャパンやろうに。 もー、 じゃまくさい話になってきたなあ)

おっさん 今までそうしてきたから としか言いようがない。 ほんで、わしはそれで十分やと言うてるんや。 だいたい、 この世の中、合理的な 説明のつかんことだらけや。 その中には理屈を超越したものがある。 特に、ただ長い間そうしてきた からというだけで、そのまま続いていくものがある。 そういうものは、長ければ長いほど価値が 高まっていくもんや。 そして一度確固たる価値を築いたならば、もう2度と変更することは できんやろう。 その価値をゼロからまた積み上げていくというのは相当な覚悟が必要やからな。  そういう意味で、わしのイデタチや髪型も、長く続ければ続けるほど 価値を増していくというわけや。 これを一度変えてしもたら、 その価値はゼロから積み直しということになる。  そんなことができるものか。 ここまで来たんやから、これからも続ける。 ただそれだけの ことや。 

西川氏 (何を言うとんねん。 あんたの 髪型と服装がどれほどの価値を持ってるっていうねん。  疲れるからもうええけど。) まあ、ねえ。 へぇ〜。

おっさん お前はだいたいからして、 インタビュアーとしては喋りすぎやし、突っ込みすぎやねん。 インタビュアーが 反論してどうすんねん。 へえへえ聞いて、とりあえず感心しといたらええねん。  それがインタビューってもんやろ。 だいたいからして、インタビュアーの名前なんか 普通は出せへんもんやで。 それをわざわざ出してやってんねんから、それだけでも感謝せーよ。  ごちゃごちゃ、ごちゃごちゃウルサイねん。  こんなんインタビューやのうて(=ではなくて) ディスカッションやがな。

西川氏 (なるほど、確かにそうかも) いや、しかしですねえ。  このやり方で、もう3年近く続けてきたわけですよ。 これまた長い時間 じゃないですか。 となれば、それは既にある程度の価値を築いてきたと考えられますから、 それはもはや変更することはできない。 とまあ、そういうことになりますよね。 

おっさん あっ、そうか!

西川氏 (単純というか、素直というか) そうなんですよ。  こうやって新しいインタビューのスタイルが確立されていくわけですよ。  もう後戻りはできないのですよ。 これが21世 紀型のインタビューなんですよ。

おっさん 21世紀? なんか、未来っぽくて カッコええなあー!

西川氏 ( 意外と気づかんもんやなあ。 今現在が21世紀やねんけど。 まあ、何となくその気持ちは分かるけど)  そうでしょ。 だからこのままでいいんですよ。 今こうやって私がバンバン喋ってますけども、 これがいいんですよ。 どんどん私に喋らせましょう。 そうすればするほど、 このインタビューの価値が確固たるものになっていきますから。

おっさん なるほど! よっしゃ、お前はどんどん 喋れ! はっはっはー! イヤッホーイ!

西川氏 (アホや) ご理解有難う ございます。 では、今日はこれから仕事があるのでここら辺 で終わりさせてもらいます。 また次回、おおいに喋らせて頂きますよ。

おっさん なんや、もう終わるんかいな?  今ごっつい盛り上がってきたとこやのにぃ〜。 

西川氏 すいません。  最近はもう、 アレモちゃんがコレモちゃんで、大騒ぎしちゃって 大変なんですよ。

おっさん おお、そうか。 それは大変やなあ。

西川氏 (どうやら通じたようだ) それはもう、はい。  では失礼します。 さようならー。

おっさん おう、ほななー。 がんばれよー! いっぱい 喋るんやぞー! バイバーイ!

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