平成18年8月3日のインタビュー

西川氏 最近どうですか?

おっさん まぁ、ぼちぼちやな。

西川氏 もう8月ですよ。 早いもんですね。

おっさん そうやなあ。 早いもんやなあ。 でもまあ、ここへ来てやっとホッとしてるわ。 学会も終わったし、 青春の高校数学もほぼ仕上がったし。 ほんでから、若い衆も日本から 戻ってきたし。

西川氏 奥さんとお子さんですか?

おっさん おお、そうや。 今回も 堺の幼稚園に行って、これがなかなか楽しかったようや。 向こうでも 年に一度やってくる男として認識されてきたようやし、本人もアナーバーに戻るのが 嫌みたいなことを言ってたから、これはほんま良かったな。 汰偉介も いろんな刺激を受けたようで、もう走り回るようになったし、 意思表示もできるようになってきたわ。 いやあ、その成長振りにはビックリンコやで。

西川氏 (ビックリンコ?) 一ヶ月くらい行ってたんですよね。

おっさん そうや。 まあ長いといえば 長かったなあ。 その間にわしの方もいろいろあったしなあ。 まあ、でも これで1段落して、裕之進も秋からこっちゃの小学1年生や。 そろそろ英語を ちゃんと勉強していかんとな。

西川氏 (やっと英語教える気になってきたのかな)  そうでしょうね。 是非頑張って欲しいものです。 ところで、おっさんはこの一ヶ月 間1人ぼっちだったわけですが、自炊してたんですか?

おっさん 当たり前やがな。 今ではすっかり ご無沙汰しとるが(レシピ論文)、これでも一応料理研究家やぞ。 それはもう、 あの手この手で飯を作ってたがな。

西川氏 例えば?

おっさん 今回のヒットはぶっかけうどんや。 これは うまい。 しかも簡単。 うどんをゆでて、それにダシと天カスをぶっかけて 食べる。 これがもう、ほんま、うまいんや。 うどんに絡まった天カスをバリバリ言わせながら 食べるこの快感。 ほんま、たまらんわ。

西川氏 ダシは自分で作るんですか?

おっさん 作るわけないがな! そんなもんは 市販のもん( キッコーマンの本つゆ)を水で薄めるだけや。 だから早いんや。 そして美味い。 もう、 ベルギーから戻って以来、毎日朝晩これやったで。 ほんまに美味いんや。

西川氏 (やはりダシを自分で作るような ことはしないのね。 これがおっさん哲学やな) ほーう、そうですか。 でも、 毎日食べて飽きませんか?

おっさん アホか! うまいもんはうまいんや。 飽きるとか、そんなこと言うな! ぶっかけうどんを侮辱したら、わしが許さんぞ!

西川氏 (なんで怒るねん?) いや、侮辱とかじゃなくて、 単に毎日同じものを食べて飽きないのかなあと思うだけなんですけども。

おっさん  あほんだら! 毎日うまいもんを食べられるのに、何で飽きるねん! 生まれてこの方、 わしは美味いもんを一杯食べて、飽きたことなんか無いぞ! うまいもんに 飽きるというアイデア自体が理解不能じゃ。 はっはーん、 お前は俺を騙そうとしてるな。 いわゆる洗脳やな。 そうやって、わしからうまいもんを 奪おうという魂胆なんやな! ほんまに、お前という奴はー、そんなこと言うんやったら お前にも食べさせるぞ!

西川氏 (何で怒ってるのか、よう分からんけど)  ああ、それは是非食べさせてくださいよ。

おっさん よっしゃ。 今すぐ作るから、待っとれ!

西川氏 有難う御座います。 じゃあ、作りながらで いいですから、インタビューを続けましょう。

おっさん おう、何でも聞けっちゅーねん。

西川氏 おっさんは「うまいもんに飽きることはない」と 言いますが、いくら美味しくても毎日そればっかりだと、普通は別のものも食べたくなる と思うのですよ。 それは、美味しくなくなるわけではなくてですねえ、そのぉー、 しんどくなるというか、ちょっと休憩したくなるというか。

おっさん しつこい奴っちゃなあー。 ほんだら、お前、 大好きな女の子と幾多の困難を乗り越えて結ばれて、それでも 毎日一緒に居たら飽きるのか? 飽きたら離婚して、別の女の子と 結婚するのか? それがお前のいう「ちょっと休憩」なのか? そんなことしたら、子供はどうなるんや? お前は 少しでも子供のことを考えたことがあるのか? よんどころない 事情があるというのなら分かるが、飽きたから別の女の子と再婚するってどういうことじゃ!

西川氏 (無茶苦茶や!) いや、私はうどんの 話をしてるのであって、結婚とか離婚とか、そんな話をしてるんじゃないですよ。

おっさん 同じことやないかい。 例えば、大好きな先生に 毎朝「おはよう御座います!」と挨拶をするのも、毎日やってると飽きるから、 「ちょっと休憩」して、あんまりよく知らない先生に元気良く満面の笑顔で 挨拶をするのか? それはおかしいやろ。 された先生もビックリやし、 無視された先生もショックで塞ぎ込んでしまうやないかい。 お前には心というものが無いのか! それから、大好きな自分のチャームポイント のエクボも、毎日出すと飽きてくるから、決して笑わずにムッツリ顔で一日を過ごすのか? そんなこと したら、周りの人間が心配して胃を壊すやないかい。 また、苦労して手に入れたマイホーム も、毎日住んでると飽きてくるから、二束三文で売り払ってオンボロアパートに引っ越すのか! せっかく健康に毎日トイレに行ってる人間も、毎日行くと飽きてくるから、 わざと便秘になるのか! そんなことができるのか! 何とか言うてみろ! おーう!

西川氏 (なんかこういわれると、 俺が変なこと言うたように思えてくるわ。 恐いなあ。 霊感商法みたいなもんか?) いやあ、 そういうわけじゃ なかったんですけども。 うーん、いやあ、ほんと、

おっさん おっと、ゆであがったぞ。 後は、こうやって 水で冷やして、ここにダシをこうやって、ほんで天カスをドバーっと!

西川氏 そんなに入れるんですか?

おっさん 当たり前やんけ。 うどんが見えなくなるぐらいは入れなあかん。 このバリバリ感がうまいんやからな。 よっしゃ、 食べてみろ。

西川氏 はい、じゃあ、いただきまーす!

おっさん ちょっと待て!

西川氏 何ですか?

おっさん 食べさせるって言うたやろ! 箸をよこせ。 わしが食べさせてやる!

西川氏 (えっ?) ちょ、ちょ、ちょ、ちょ、 ちょっと待ってくださいよ! それは勘弁してくださいよ。

おっさん お前も、「是非食べさせてくださいよ」って 言うたやないかい。 黙って口を開けろ! はい、あーん!

西川氏 (うごぉ〜! 助けてくれー!)

おっさん はーい、良く噛んでぇー!

西川氏 (あー、参ったぁー) はっ、はいぃー、うまいっすぅー。

おっさん ほれ、見てみい! うまいやろ! ほれ、もっと食え!

西川氏 (許してくれー) うん、はい、これはなかなかイケます。

おっさん そうやろ。 これでもまだ お前は飽きるとか言うのか! ほれ、もっと食べろ! あーんして、あーん!

西川氏 (それでも毎日食べたら飽きると思うけど。 もうええわ) いえいえ、私が間違ってました。 これは全然飽きないです。 ほんとに美味いです。 わたしもこれから毎日こればっかり食べることにします。 生意気言って すいませんでした。

おっさん まあ、分かったらええんや。 さあ、 このダシをゴクッと飲み干したらもう帰れ。 わしも忙しいんや。

西川氏 はいはい、分かりました。 では、 ダシも全部飲ませて頂いて。(これは天つゆやな。ある意味、天つゆうどんやな)

おっさん はい、おしまい。 ほなな。 また食べさせたる さかいにな。

西川氏 (もうええっちゅーねん) いや、次は自分で食べますので。 ご心配なく。 では、さようならー。 (自分で食べてたら、ほんまに美味かったやろうなあ)

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