おっさんインタビュー


平成16年9月23日のインタビュー

西川氏 最近どうですか?

おっさん ま、ぼちぼちやな。

西川氏 忙しい一週間も終わって、ほっとしましたか?

おっさん まぁな。しかし、一つ終わればまたなんぞ出てくるもんやさかいに、 ホッとはできんねや。 なんじゃかんじゃで、相変わらずセワシナイ生活やで。

西川氏 なるほど。ところで、おっさんは 古着好きだと聞きましたが、本当ですか?

おっさん おう、そやで。古着はええぞ。 まず、ユニークな服を見つけることができる。 どこででも手に入るような代物やないわけや。 ほんでから、ええもん見つけてもサイズが合うか どうか分からんところがスリル満点や。 それで、ええもん見つけてサイズもぴったり やったりなんかしたら、もう感動やで。 「わしに着られるのを待ってたんやな。かわいいやっちゃなぁ。 さぁ、一緒におうちへ帰ろう。」などと 思えて、最初から愛着が湧くわけや。これ、最高やで。 おまけに、古着は安いときてる。分かるか? 古着ってやつは、こんなに素晴らしいんや。

西川氏 なるほど。じゃぁ、新品の服は買わないんですか?

おっさん お前はほんまに極端なやっちゃな。 新品も時々は買うわいな。でも、それはほんまに ええと思ったときだけや。あんまり思うことはあらへんけども。 今のところ新品で買ったのは、コート1着とスーツ1,2 着ぐらいやな。あとはパンツぐらいのもんや。

西川氏 なるほど、ということは流行など お構いなしですね。

おっさん その通りや。わしは己の道を行くだけや。 わしはわしがええと思うもんを着る。それだけや。 基本的に、わしはピチピチスタイルや。 ダブダブはあかん。まず似合わん。 ズボンはもちろんノータックや。 しかし、世の中、分からんやつも多いんや。 昔、高島屋でスーツ作ったときに、「ノータックで よろしく。」と言うたら「いや、タックがあった方が 楽でいいですよ。」などとぬかしよってな。 ほんま、アホやろ?なんで客の言う通りにせんのや。 ごちゃごちゃ言うんやったら、買ってやらんぞってなもんや。 散髪に言っても「今こういうのが流行りですよ。どうですか?」 とか、なんで皆同じにしようとしたがるんや。 アホとちゃうか?いくら笑われても、わしはピチピチが好きやし、 基本はリーバイスのドレスジーンズ(Levi's 517 Tex Twill)やし、 でもやっぱり末広がり的ズボンが好きやし、ポリエステル100%シャツが 大好きやし、古着的コールテン(又はコーデュロイ)ジャケットが大好きなんや。 それをやめたら、もはやわしはわしでなくなるんや。

西川氏 なるほど。でも、古着って所詮は誰かのお古でしょう。 気持悪くないですか?

おっさん そういう人間もおるやろう。 わしのお母ちゃんがそうや。「そんなん汚ぁて、よう着んわ。」 などとおっしゃる。しかし、人が着ていた服を洗濯もせんと 着るやつがおるか?おらんやろう。大体からして、新品で 買った服も結局は古くなっていくわけで、1年も経てば 古着みたいなもんや。ただ、他人が着たかどうかだけの 違いになるわけや。恐らくその”他人が着ていた”というのが 気持悪いと思ってしまうんやろうな。

しかしな、それは考えようや。古着には、新品には無いストーリーがあるんや。 これがなかなか人には分かってもらえんねやけども。
例えば、ほつれた糸なんぞを見つけようものなら、
「あぁ〜、これはカワイイ姉ちゃんが”ねぇ〜私ってあなたの何なのよー! なんで貴方はいつもそうなのよー!ねぇ〜答えてよー!”などと 泣き叫びながら兄ちゃんの服を引っ張ってたんやなぁ〜。。。 青春やなぁ〜。。。」
などと思いを馳せたり できるわけや。また、 ちょっとしたシミなんかを見つけようもんなら、
「これは、兄ちゃんの恋人が”バカバカ〜!”などと泣きながらも ”あなたが好きなのよ〜!あぁ〜ん!”などと言いながら 結局は兄ちゃんの胸に飛び込み、その胸で流した涙なんやな。。。おぉ〜、 青春ど真ん中やがなぁ!」
などと感動することができる。 さらには、なんかカピカピになってるところなんぞを 見つけようもんなら、
「ん〜、これはそのとき 兄ちゃんの胸で泣きじゃくってた恋人ちゃんの鼻からこぼれ出した鼻水が固まったもんなんやな。 ん〜、これまたホロ苦い青春の、まさにコボレ話やなぁ。。。、」
などと考えたりできる。そのようにして、その昔に世界のどこかで起きていた 青春のワンシーンを再現したりして楽しむことができるわけや。 新品の服でこんなことができるのか? いや、断じてできん。 これこそが古着と新品の決定的な違いなんや。分かるか? なぁ?なぁ?分かるやろ?

西川氏 (アっ、アホやー。このおっさん。。。 そのアホさ加減に感動するわ。)  はっはぁ〜、なるほどね。 そういうことは考えもしませんでしたよ。素晴らしいじゃないですか。 いやぁ、ほんと素晴らしいですよ。

おっさん 分かってくれたか!おおきに、おおきにやでー! お前なら分かったくれると思ってたで。やっぱりお前は わしの親友や。古着に関してわしに共感してくれたんは 、お前だけや。ほんま、嬉しいで!

西川氏 (共感してへん、してへん! なんかこのおっさんと一緒におること自体 が恥ずかしくなってきたわ。もぉ〜、早よ帰りたいなぁ。)   いやぁ、呆然としてしまいましたよ。 今日はいい話が聞けて良かったですよ。じゃぁ、そろそろこの辺で。

おっさん えっ、なんでやねんな。 盛り上がってきたとこやないかいな。 もうちょっと何か聞いてくれや。

西川氏 (しゃーないなぁ。ほな、まぁ ちょっとだけ)  あぁ、そうですか。 じゃぁ〜、服も沢山もってるんでしょうねぇ。

おっさん そらぁ持ってるがな。 ひょっとしたらヨメハーンよりも持ってるぞ。 とりあえず安いから、ええと思たら買ってしまうんや。 大体からして、ジャケットで10ドルや20ドルやからな。 7月にトロントに行ったときも、クイーン通りで 古着屋に入りまくって買いまくったがな。 また来年トロントに行くかもしれんから、そんときも たんまり仕入れてくるつもりや。楽しみにしとれよ。

西川氏 (誰が楽しみにするねんな。) はい、 それはもう。それでは、今日はこの辺で。

おっさん なんでやねんや。もっと聞けや。

西川氏 いや、今日はちょっと約束がありまして。

おっさん 何の約束やねん。そんなもんあって ないようなもんやがな。

西川氏 そういえばそんな歌がありましたね。

おっさん あったがな。わしはな、基本的に 約束とかキライやねん。縁があったらまた会うやろうし、 縁がなければ会うことはないやろう。それだけの話や。 そうやって運命に身を任せて生きるのがわしのポリチーや。 ”テレサのてっつぁん”も歌ってたがな、”時の流れに 身を任せぇ〜”とかいうてな。

西川氏 (ポリチーって何やねん?ほんま、それを言うならポリシーやろ。 しかも”テレサのてっつぁん”って、あんた。それはテレサ・テンやないかい。 新喜劇の原哲夫みたいに呼ぶなよ。ほんまにぃ。。 )  そうなんですか。ただ、 私は”運命は己がコントロールするものである”を ポリシーとしているので。私は私のポリシーを貫かせて頂きます。

おっさん そうけぇ。わしとお前はやっぱり合わんな。 水と油や。いや、サルとカニや。いや、おすぎとピーコ や。敢えて言い換えれば、ヒデとロザンナや。

西川氏 敢えて言い換える必要もなければ、 言い換えたところで意味は不明ですが、ポリシーの違いは 理解して頂けたようですね。それでは、失礼致します。 また10日後にお会いしましょう。

おっさん おう、会うたろうやないかい。 逃げるなよ。絶対に来いよ。約束やさかいにな。

西川氏 約束すんねやんけ! せえへん言うてたのに!

おっさん うるさい!とっとといねー! (いね!=帰れ!)

西川氏 いんだらぁ、ボケ!



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