平成18年10月3日のインタビュー

西川氏 最近どうですか?

おっさん まぁ、ぼちぼちやな。

西川氏 早いもので、もう10月ですね。

おっさん そうやがな。 10月やがな。  えらいこっちゃで、ほんま。 こんな調子やったら、あっという間に正月やで。

西川氏 そうですね。 今年の正月は こっちですか?

おっさん そうやなあ。 今年は久しぶりに 家族揃ってアナーバーで新年を迎えることになりそうやなあ。 まあ、それもええもんや。

西川氏 そうですね。 ということは、クリスマスも アナーバーですか。

おっさん 当たり前やがな。 クリスマスやからって、 どこへ行くつもりやねん。

西川氏 そうですね。 では、

おっさん ちょっと待て。 お前、さっきから 「そうですね」ばっかりやんけ。 なんやねんそれ。

西川氏 なんやねんと言われましても、 そうだと思うから「そうですね」と言っただけなんですけど。

おっさん お前は相変わらずアホやなあ。  たとえそう思っても「そうですね」と言わないところがインタビューアーの仕事やろ。  何を言うても「そうですね」やったら、話が広がらんやないかい。

西川氏 (それが インタビューアーの仕事?) いや、でも、本当にそう思うのですから、

おっさん アホ! お前がどう思うかは関係ないんや。  これはインタビューなんや。 お前の意見なんかどうでもええんや。 

西川氏 そんな〜

おっさん “そんな” もクソもあるけえ。  ほな、お前、「安いよ、安いよ!」でおなじみの魚屋のオッサンも、 ほんまは安くないと思ったら「高いよ、高いよ!」などと言うのか。  「よくお似合いですよー」でおなじみの美容師のオッサンも、 ほんまは似合ってないと思うのなら「全然似合ってないですよー」 などと言うのか。 さらに、「美味しい焼イモはいかがですか〜」でおなじみの 焼き芋屋のオッサンも、ほんまは美味しくないと思うなら「 美味しくない焼イモはいかがですか〜、そうですねー、そうですねー」などと言うのか!

西川氏 (全部オッサンやがな) 本当にそう思うなら、 そう言うべきでしょう。

おっさん アホか! そんなこと言うたら 商売にならんやろ。 どこの世界に、自分の商品にケチつけながら売る商売人がおるねん。  そんなんでは誰も買わんわ。

西川氏 じゃあ、嘘をついてでも売るべきだと いうんですか。 それこそ客の信頼を失って、いずれ商売にならなくなりますよ。  そんな商売人は淘汰されるべきです。

おっさん やかましいわ! 誰もそんな話は してへんわい。 わしは、オッサンらの個人的な意見はどうでもええと言うとるんや。 

西川氏 いや、しかし、美味しくないものを 美味しいと言って売るのは詐欺じゃないですか。 第一、美味しくないと思ってる人間に 美味しいと言うことを強制することはできませんよ。 いくら商売だとしても、個人の 自由というものがあります。 それは尊重されるべきです。

おっさん ほうら来た。 今度は「べきです」ばっかりや。  ベキデス、ベキデスうるさいねん! お前は、ベキデス星の王子様か! 

西川氏 (意味分からん!) はあ?

おっさん とぼけとったらアカンぞ。  わしは何も、秋刀魚を1尾500万円で売って「安いよ、安いよ!」と言うとか、 ロングヘアーが自慢の美人キャリアウーマンをハゲ頭にして「よくお似合いですよー」と言うとか、 そんな話はしてへんのや。 そんな場面やったら、高いといえばいいし、 似合ってないと言えばええやんけ。 そんなもんは問題外じゃ! わしが言うてるのは、 もっと普通の場合の話や。 そもそも、美味しいとか似合う似合わんとか、 オッサンがそんな主観的な主張をしてどないすんねんちゅーとんねん。  客の中には、それを美味しいと思う人間もおるやろ、似合うと思う人間もおるやろ。  それを、自分がそう思うから言うて、高いよーとか美味しくないよーとか 言うたら商売成り立たんやろって言うとんねん。  まともな商品やサービスを提供するのは別問題やし、当たり前のことやんけ。 

西川氏 なるほど。 それは確かにそうかもしれませんが、 言論の自由というのは憲法によって保証されているのですから、そのオッサン達が何を言おうが自由です。  それは誰も強制できないんですよ。

おっさん お前って、ほんまにアホなんやなあ。  なんか、かわいそうになってきたわ。 ベキデス星で、さぞかし甘やかされてきたんやろなあ。  なんせ王子様やさかいなあ。 何でも好きなもん食べさせてもろて、ゲーム一杯買ってもらって、 勉強せんでも叱られずに、頭ナデナデしてもろてたんやろなあ。 ほんま、 可哀相になあ。

西川氏 (アホか?) ベキデス星はもういいですから、 答えてくださいよ。 強制はできないでしょ?

おっさん はあ? 強制 ってか? できるがな、そんなもん。 

西川氏 できないですよ。

おっさん なんやそれ。 答えろというから答えたのに、 即座にそれを否定すること無いやろ。

西川氏 いや、だってそれは出来ないですから。

おっさん なんやねんそれ? それこそ 言論の自由を奪っとるがな。 強制やがな。 

西川氏 いえいえ、強制などしてませんよ。  おっさんが何を言おうが自由です。 そしてそれを即座に否定するのも自由なのです。

おっさん ほな、それを無視してしゃべるのも 自由なんやな。

西川氏 そうです。

おっさん よっしゃ、ベキデス星の アホぼんの戯言なんか無視じゃ! わしが言いたいのは、己の仕事はしっかりせいと いうことじゃ。 何を言おうが構わんが、しょーもない理屈 をこねくり回してやることやらんのは、職務放棄の職務怠慢じゃ。  火事を目撃した消防隊員が「そんなに燃えてないじゃん!」と思うのは勝手やが、 消せと命令が下ったならば、それは消さないかんやろ。 レストランのウエイトレスが、 メチャメチャ太った客を見て「あんたがアイスクリーム食べたらアカンやろ!」と思うのは 勝手やけども、実際にスーパージャンボアイスクリーム を注文されたら、それを拒否することはできんやろ。 それはまさしく強制やんけ。  それがでけへんと言うなら、世の中無茶苦茶になるぞ。 ゆっくりちょっとずつ燃える 家には消防車が来てくれない。 太った人は外でアイスクリームを食べられない。  こんな世の中でいいのか! ベキデス星ではそうなのかもしれんが、 地球ではそんな馬鹿げたことは許されんのじゃ! お前のようなアホは ベキデス星へ帰れ! ベキデス星で好き勝手やって暮らしとけ、ボケ!

西川氏 (ほんまにしゃーないやっちゃなあ。  あんたの例え話がズレてるから、いつも話が脱線するんやがな〜。  さあ、疲れてきたし、もうこの辺で終りにしよ)  わかりました。 じゃあ、私はベキデス星へ帰ることにします。  しかしその前に、一つ指摘しておきましょう。  もともと、おっさんが「たとえそう思っても「そうですね」と言わないところがインタビューアーの仕事や」 「お前の意見など関係ない」などと主張したことから、議論が始まったのです。  私は、そう思えば「そうですね」と言えばいいと思うのです。 自然体でインタビューすれば いいと思うのです。 何も無理矢理に面白くしたり、無理矢理に話を広げたりすることなど ないと思うのです。 何と言っても、天下の片手間作家・おっさんのインタビューです。  私が変な小細工しなくても、いつも何かしら面白く興味深い話になるじゃないですか。  おっさんに小細工はいらないんですよ。 みんな、ありのままのおっさんが好きなんですよ!  なんでそれを分かってくれないんですか! 悲しいですよ! ほんと、悔しいですよ!  うっ、うっ、うううぅ....... 

おっさん いや、そんなん。 泣かいでもええがな。  いや、あの、そんなつもりじゃなかったんやけども、あのぉー、

西川氏 すいません。 取り乱してしまいました。。。  分かってますよ。 それでは、私はベキデス星へ帰ります。 地球での楽しい思い出は 一生忘れません。  地球の皆さんに、よろしくお伝えください。  おっさんもお元気で。 縁があったらまたどこかで お会いしましょう。 では、さようなら! さよーならー! 

おっさん おっ、おーい! 待てやー! ほん まにに帰らんでもええってー! そんな、ベキデス星みたいな遠いとこに行かんでもええからー!  地球におったらええがなー! なあー! 待ってくれやー!  おーい!

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