平成20年10月3日のインタビュー

西川氏: 最近どうですか?

おっさん: まぁ、ぼちぼちやな。

西川氏: 最近、日本では総理大臣が新しく変わりましたね。

おっさん: 誰が「ソウリ外人」やねん! 確かに わしはアメリカでは外人やし、日本人のクセで、やたらSorry、Sorry言うけども。 しかし、ソウリ外人は言い過ぎやろ! そんな言い方されたんは、生まれて 初めてや! ほんま、人をバカにしやがってー!

西川氏: (マジなの?) いや、そうではな くてですねえ。

おっさん: 何や? Sorryって言うたらあかんのか?  こっちからしたら、「ちょっとすんまへん」とか、「こんにちは、すんませーん!」とか、 「いやあ、おおきにすんません」とか言う程度の、ちょとした 意味で言うとるだけやろ。 そんなもん、深い意味も無ければ、心から謝罪してるわけ でもないわい!

西川氏: なら、人に道を聞くときの「ちょっとすんまへん」 は「Excuse me」と言えばいいですし、お店に入って「すいませーん!」と言うなら 「Hello-!」と言えばいいし、「おおきにすんません」だったら単に「Thank you!」と言え ばいいじゃないですか。 なぜわざわざSorryと言うんですか?

おっさん: アホか! それはわしが 日本人やからに決まっとるやんけ! それが日本人流の英語なんじゃ。  だいたいからして、日本人が米人流の英語を話してどうすんねん? そんなことしたら、皆に 米人やと思われてしまうやんけ。 市民権も持ってないのに、 米人扱いされたらかなんわ! 日本人なら日本人らしい英語を話せっちゅーんや!

西川氏: あのう、コメジンって何ですか?

おっさん: えっ? 米人(コメジン)って、 アメリカ人のことやんけ。 お前、そんなことも知らんのか? アメリカって 漢字で米国(コメコク)って書くやんけ。  だから、そこの人は米人(コメジン)やんけ。  日本国の人を日本人と言うのと同じことやがな。 いや、こんな 基本的なことが分かってないなんて、、、 お前、アホ過ぎるぞ。。。 

西川氏: (マジなんやなあ) あっ、そうでし たか。 私はあれはてっきりベイジンと読むんだと思っていましたよ。

おっさん: お前って奴は、おっそろしいやっちゃなあ。  もうこのことは聞かなかったことにしてやるから、これからはちゃんと コメジンと言え。 はいはい。 えーっと、だからやなあ、日本人は日本人なりの英語を 話せばええってことや。 

西川氏: (気を使って流してくれたわけ か。。。複雑な気分やなあ。。。)

おっさん: 例えば、日本人が大好きな受動態も使いまくればええんや。  「こちらにお電話するように言われたんですが」って言うときは、 「They told me to call this number」ではなく、あえて「I was told by them to call this number」と言うんや。 「スーパーで新鮮な卵が売られていたわよ!」 ならば、「That supermarket has fresh eggs!」ではなく、 あえて「Fresh eggs were sold at the supermarket!」と言えばいいんや。  ここは日本語に忠実に過去形を使うことや。 そうやって過去形にすれば、米人(コメジン) は、「Do they still have them?」などと言って、今でもその卵が売られているの かどうか聞いてくると思うが(注:過去形なので、一応、現在も売られているかどうかは 定かではないことになる)、 それでええんや。 その余計な手間こそが、 まさに日米(ニチコメ)間の文化摩擦であり、また安保条約であるわけや。  それが無くなってしもたら、それはもうお前も米人(コメジン)ということや。  そうなったら、もう後はエンジンくわえてニンジン吹かすだけや!

西川氏: (意味わからんわ) まあ、確かに 日本語では受動態をよく使いますよね。 

おっさん: なぜかわかるか? それは、 日本文化では、人間だけでなくこの世の万物全てに 魂が宿っていると考えるからや。 フレッシュな卵は、スーパーが売ってるモノではなく、 スーパーで売られている一つの人格なわけや。 だから、「The supermarket has fresh eggs!」ではなく、「Fresh eggs were sold at the supermarket!」なんや。 主役は あくまでもエッグなんや! また、 「I opened the door」ではなく「The door was opened by me」と言うのが日本的であり、 「They painted the wall green」ではなく「The wall was painted green by them」と 言うのが日本的なんや。 とにかく、主役はあくまでもドア、そして壁であって、それを開けたり、 塗ったりした人間ではないんや。

 一方、電話の話もかなり日本的や。 「あの人達がここに電 話するように言ったんです(They told me to call this number)」などと言って責任を人に押 し付けるのではなく、 「私がここに電話するように言われたのです(I was told by them to call this number)」と 言い、あくまでも責任主体は自分であることを高らかに宣言するんや。 なんという潔さ、 奥ゆかしさ、そして謙虚さであろうか。 こんな素晴らし い文化が他にあるか! 否、無いに決まっている! 日本バンザーイ! イエーイ!

西川氏: (もうええわ) いやあ、今日はいい話が聞 けましたよ。 もうお腹一杯になっちゃいました。 では、今日はこの辺で。

おっさん: おう、帰ったら子供達にも話してや れよ! 日本文化の素晴らしさを教えてやれよ! 受動態やぞ、受動態!  This curry rice was eaten by me!  This beer was drunk by me!  Goodbye was said by me to you!!!!!

西川氏: (ほんまアホなおっさんやなあ) はーい、さようならー!

おっさん: Oh, I was told goodbye by you, just now! イエーイ!

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