平成18年11月13日のインタビュー

西川氏 最近どうですか?

おっさん まぁ、ぼちぼちやな。

西川氏 本職の方はどうですか?

おっさん 実はこれが、まあ、ええ感じなんや。  実は9月に斬新なアルゴリズムを発見してなあ。 これを何とか年内に完成させようと頑張っとるところや。  お前に説明しても分からんやろうけども、これはなかなかのもんなんや。  今後わしがこの業界で有名になるとしたら、このアルゴリズムやというぐらいの代物や。  まあ、見とれ。 

西川氏 (へえー、一応ちゃんと仕事してるん やな)  そうですか、それはいいですね。 そのアルゴリズムが出来上がったら、是非このインタビューで語ってく ださいよ。 

おっさん そらあ、いくらでも語るけ ど、理解でけへんと思うで。

西川氏 それはいいんですよ。 まずアルゴリ ズムという単語からして、いまいち理解していない感じですから。 だいたいからして、 このインタビューは、誰かに何かを理解させることが目的ではなく、 おっさんが語ること自体が目的ですから。 だから、何でもいいんですよ。

おっさん おお、そうか。 それやったら なんぼでも語ったるがな。 うん、考えてみたら、このインタビューでアルゴリズムについて 徹底的に語るのも面白いかもしれんなあ。  まあ、もうちょっと待っとれ。 すぐに論文を書き上げるさかいに。 

西川氏 (本気なのかしら?) はい、分かりました。 待ちま す。 そうすると、まだ今年のアルバムの作成もありますし、イベントもまだあと二つ三つ残っ てますし、芸術作品の「帰国するあなたへ」シリーズもまだ続きそうですし、これから年 末に向けて忙しくなりそうですねえ。

おっさん まあな。 でも、頑張ったらできる んや。  それは間違いのないことや。 ほんで、そういう忙しいときにこそエエもんが出来上がる んや。 あかん、もう明日が締め切りやのにー、というような切羽詰った状況でこそ、 素晴らしいものが出来上がるもんや。 これはほんまや。 みんなそう言うてるがな。

西川氏 (みんなって誰?) そんなもんですかねえ。

おっさん そうやがな。 人間、追い詰められ てなんぼや。 ゆるりゆるりとやってても、大したアイデアは出てけーへんで。  例えば、お前の子供が将来、何十年か後に結婚するとして、そのときの結婚式でのスピーチを 今のうちに書いておけと言っても、そんなもん出来へんやろ? 時間はたっぷりあり過ぎ るし、何のプレッシャーもないし、大体からして結婚するかどうかも分からへんがな。  そんなんでは全然集中でけへんし、アイデアも出てけーへんし、何も書かれへんがな。

西川氏 それはちょっと極端な話ですね。

おっさん それはちょっとショクパンな話? 何やそれ? 何の話 をしとんねん。 ちゃんと人の話を聞け!

西川氏 (無茶苦茶やなあ) はあ。

おっさん だから、やっぱり、ええスピーチを書くなら スピーチの直前なんや。 「もうあと10分ですよ、お父さん!」とせかされて、 「分かっておる。今考えてるところだから、会場で待ってなさい」と冷静に振る舞いつつ も、心の中では「ワッチャー! えらいこっちゃー、何言おうかなあ〜!」と慌てふためいて グリグリと考えるけども、時間がないから細かいことは考えずに「いてまえー!」っ てなもんで書くから、表現がいつもの2倍ぐらい大胆でストレートになるし、 いざスピーチになれば、ちょっと不安やけども、「いてまえ!」的な気分になってるから、 そのままの気分でバシッとしゃべることができるし、「もうちょっと時間があったらな あ、、、」とちょっぴり悔しがって涙がキラリと落ちれば、それが出席者のもらい泣きを 誘って、結果、「お父さんのスピーチ、泣けたよねえ」「ほんと、心がこもってたよねえ」 ということになる。 それは間違いのな いことや。 みんなそう言うてるがな。

西川氏 (だから、みんなって誰?) そんな もんですかねえ。

おっさん そんなもんやんけ。 まだ分からん のか、お前は。 もっと身近な、例えば、ウドンでもそうや。 「今日の晩ご飯はうどん にしよう!」と決めたからといって、朝からウドンをゆでておくようなことをするか?  そんなことしたら、晩になる頃にはウドンはノビノビのカピカピになってもうて、 全然うまくないがな。 それはやっぱり、食べる直前やろ。 ツユがグラグラと 出来上がったころに、ウドンをゆでて、ゆで上がったウドンをサッと放り込んで、 そしてズルズルっと食べるんやがな。 そうして初めて、「うまい!」というアイデアが 出てくるわけや。 それは ウドンだけではなくて、そうめんでも ラーメンでもスパゲッティーでも同じことや。 それはやっぱりギリギリの方が美味しい んや。  みんなそう言うてるがな。

西川氏 (「みんな言うてる」が言いたいだけ か?) へえー。

おっさん トイレもそうや。 行きたくもない のに、トイレに座って長々と何をするっちゅーねん。 お前はアホか。 「あかん、もれ るぅ〜! どけ、どけ、どけー!」って言いながらバタバタとトイレに駆け込んで、 「ガォー!」と絶叫するからこ そ、「トイレって、人間にとって安らぎの場なんだよね」などと悟ったようなセリフが吐 けるんや。 それから、旅立つ恋人を駅のホームで見送る時もそうや。  電車がまだホームに到着してもいない時間からホームで駅弁を食べながら待つよりも、それ はやっぱりギリギリの時間に駆け込んで、発車していく電車を泣きながら追いかける方が ドラマチックやがな。  ジーパンだって、ダブ ダブのユルユルよりも、入るか入らんか微妙なところのギリギリのサイズが一番カッコエ エし、それは水着でも一緒や。 ダブダブのユルユルビキニのギャルよりも、 ピチピチのギリギリビキニの方が間違いなくセクシービームやんけ。 そういう意味でいえば、 整いすぎた美しい顔よりも、見ようによってはブサイクにも見えるし可愛くも見えるよう な、ギリギリのところの顔の方が魅力的ということになるやろう。 実際、 世界的なモデルとかいうネエちゃんらを見てみいな。 みんなだいたいそんな感じやんけ。  だいたいからして、インスタントラーメンのスパイスなんかも「食べる直前に入れてくだ さい」と、わざわざ注意 書きまでしてるやないかい。 それでもお前は分からんのか。 ほんま、みんな言うてる のに。

西川氏 (なんか話が変わってきてるような気 が) いやあ、わかりましたよ。 なるほどねえ、切羽詰った状況こそがアイデアを生む 土台になっていたとは、恐れ入りました。 私もこれからはピチピチジーンズでトイレ に駆け込めるように努力いたします。

おっさん おう、そうか。 やっと分かったか。  とにかく、そういう意味でも、忙しいことは喜ばしいことなんや。 やるべき ことをどんどん増やして、ええアイデアをバンバン生み出して、中身の詰まった 特大ピロシキ人生を歩むことや。 忙しいから出来ないとか、疲れてるから無理だとか、 そんなことを言うてたら、せっかくのピロシキ人生が吹けば飛ぶようなゴマ人生になって しまうんや。 恐れずに、宿題や仕事や資格試験、そして片手間仕事をバンバン受け入れて、大忙しで テンヤモンがワンヤモンの、超特大ピロシキ人生を歩むべきなんや。  ほんま、みんなそう言うてるんやから。

西川氏 (ピロシキ人生?) 本当にみんなそ う言って るんでしょうか?

おっさん 言うてるがな。  あたり前やがな、そんなもん。 

西川氏 例えば誰が言ってるんですか? 

おっさん お前はアホか? 例えばもクソもあ るかいな。 “みんな”やがな。 お前、百円均一の店にいって、「本当にみんな100 円なんですか?」とか聞くのか。 しかも「例えばどれが100円なんですか?」って 聞くのか。 みんなやんけ、みんな! みんな100円やのに、何でいちいち 例えばこれが100円ですとか言う必要があるねん。 アホか! そんなしょーも ないことを聞くな。  時間の無駄じゃ。 

西川氏 (なーんか、ほんまに俺がアホみたい にされてしまうんよなあ) なるほど、はいはい、わかりました。

おっさん 「はい」は一回でええ!

西川氏 あっ、はい。 (あんたはお母ちゃん か?)

おっさん よっしゃ、ほんだらもう帰れ。  帰ったらすぐに移動式クレーン運転士の資格試験の勉強を始めろ。

西川氏 えっ、移動式クレーン運転士で すか?

おっさん そうや、何がどこで役に立つか分か らん世の中や。 早速、何かを始めてドンドン忙しい毎日にしていくんや。 さあ、行け!

西川氏 いや、それはちょっと、

おっさん ごちゃごちゃ言うな! 行け言う たら、行かんかい! ほら!

西川氏 ちょっとやめてくださいよ。 わかり ましたよ。 (わかってないけど) それじゃあ、とりあえず帰りますので。 ではまた 10日後にお会いしましょう。

おっさん おう、行けー! 日本一の クレーン運転士を目指して刻苦勉励しろ! ニッポンの未来を支えるのはお前なんやぞー! 

西川氏 (クレーンで支えるのか・・・)

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